タイトル | : Dさん物語 |
記事No | : 8298 |
投稿日 | : 2003/06/19(Thu) 08:55 |
投稿者 | : ゴン |
今から4年程前の出来事です。 馴染みになってきたDさんから塔屋看板に貼付する為の Mフィルムでの文字加工の依頼を受けました。
「今回は予算がないから、ウチで貼っちゃうよ」
「あ、そうなんですか。貼り方の方は大丈夫ですか?」
「なに言ってんのー。ウチ、プロだよー」。
施工当日の朝、Dさんは出来上がった1文字850mm角の社名を 確か4セット、忙しそうにクルマに積みこんで現場に行きました。
約1時間後、怒りの声で電話が掛かって来ました。
「なんだよー、これー。欠陥品じゃないのー。空気だらけに なっちゃうじゃんよぉ」
青くなりました。
「ちょっと待ってて下さい。私も現場に向かいます!」
腫れ物に触る様な気持ちで宥めながら現場の住所を聞き、 仕事の手を止めて急いでクルマで向かいました。 現場近くの踏切で私の車が止まった時、建物の屋上で施工を 行なっているDさんともう一人の姿が見えました。
…あっちゃー。待っててくれって言ったのに … あれ?
以下、貼り方 by Dさん
1、Dさんが850角の文字を肩位の高さで両手でぶら下げる。 2、もう一人が、リケイ紙(台紙)を勢い良く全部剥がす。 (この時点で、あ。やっちゃうかも。と思いました)
3、2人で片方づつをつまみ、貼る位置に合わせる。
「せーのっ」
べったーん!
いっぺんに貼りつけました。
ふたりで手のひらで、わらわらとこすってます。
やっちゃってました。
でっかいクモかな?と、思いました。
ホッとしつつ屋上に上がって見てみると、貼った文字の中には 「かがみもち」みたいな大きい気泡がいっぱい入っていて、所々 カッターで「ざくざく」切ってありました。大き過ぎてカッター が入った所からまたタクサンのシワと気泡が増えた様です。 細胞分裂みたいでした。
Dさん曰く、「スキージって、なに?」
今では1000mm幅のシートをドライで貼る方法をスタッフに 教える程にウデを上げたDさんの恥ずかしい過去でした。
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