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第3回 AiC竹本先生のインクジェット教室
インクジェット出力を使って看板を作る時のベストマッチング

最適な出力方法とメディア選択は?

屋外用途としての耐候性を期間別に分類しますと、概ね下記のように分けることができます。
・短期用途    1年〜2年
・中期用途    3年〜4年
・長期用途    5年以上
クライアント様との打ち合わせの中で、この耐久期間を念頭におきながら仕様を決めていただき、トラブルの無いグラフィック看板を作られる事をお薦めします。

1  野立て看板、塔屋看板

日本の野立て看板や塔屋看板の作り方の多くは、木枠トタン貼りや鉄骨枠組に鉄板(スパンドレル等)張りかアルミ複合板貼りの上に、基本はインクジェットタックシート貼り仕上げが一般的です。

1) タックシートメディア

屋外用途としてのタックシートとで最もポピュラーなメディアは塩ビシートです。
屋外耐候性とコストの点で非常にバランスの取れたメディアであるというのが一番の理由です。
塩ビメディアにも製造方法の違いからカレンダー製法とキャスト製法のものがあり、一般的にはカレンダー製法の方が安価で一般的ですが、伸縮が激しい物や可塑剤が浮き易い物等があるので注意が必要です。
キャスト製法の物は縮み率も少なく、また曲面への施工にも対応でき、耐候性も一般的には優れているという特性が有りますが、コストはカレンダータイプに比べ割高となっています。

2) ターポリン

それに比べ海外では、鉄骨枠に鉄板貼りした看板枠体にターポリン出力した物を展張りする方法が一般的です。

この方法のメリットはコストが断然安価に済むと言う事です。塩ビシートよりターポリンのほうが安く、施工費も展張するだけの簡単施工で済みますので、日本でもこの方法は今後普及していくと思われます。

3) 再帰反射メディア

また、最近見かけるようになってきている方法は、再帰反射シートにインクジェット出力する方法です。夜間電照しないと訴求できない場合でも、街の明かりや車のヘッドライトに反射し非常に明るく目に入る、目立つ野立て看板ができあがります。
エコロジーの観点からも看板の新手法として今後増えていく看板手法と思います。
再帰反射はタックシートとターポリンの2種類がありますが、注意点として再帰反射ターポリンはウエルダー加工ができませんので縫製加工のみとなる事を覚えておいてください。

4) 注意点

ここでの一番の注意点は耐候性です。クライアントとの契約期間や要求期間と現場の設置環境などを充分に考慮に入れ、出力機と使用しているインクとメディアの耐候性の選択が必要です。
この場合、目の前で見る広告物ではないので画質優先より耐候性優先とするべきでしょう。


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