|  3、ITを使わないと淘汰される? その背景とは?
 ITは、「使ったほうが良いもの」から「使わなければならないもの」に変化していきます。サイン業者にとってもそれは変わりありません。
 そこには日本の社会的な背景も影響しています。大局的に時代の流れを感じ取り、そこから落とし込んだIT政策を実現する為に、ちょっとばかし世の中を見てみましょう。
  デフレと価格競争と合理化競争
 デフレデフレと様々なメディアで叫ばれています。
 デフレーション(デフレ)とは、辞書によりますと
 (1)国全体の供給が需要を上回り、物価の下落・生産や雇用の低下を生じる状態。
 (2)通貨の量が商品の取引量に比べて減少し、物価が下がり貨幣の価値が上がる状
 態。
 とあります。日本経済の現況は、この条件の通りとなっていますね。
  デフレはわが国では、未経験なことですから、どのような対策が必要かは、先進国の例を参考にして考えるべきでしょうが、残念ながら学者先生やエコノミストの解説は
 国全体の対策論が殆どですので、伝わってこない面もあります。私なりの理解を記しました。
  20世紀はインフレの時代、21世紀はデフレの時代
 世界的な戦争をしていた20世紀は、インフレーション(インフレ)の時代でした。
 戦争によって、人間の命も財の命も失われ、人手不足・資産不足になりました。
 需要に対して供給が不足し、物価は高騰し、貨幣価値が下落しました。そこで各国
 政府は、自国の国民と経済を守るため、マーケットを国という組織に限定して、産業
 保護政策を実行し、貿易摩擦が頻発しました。
 ですから、国によって温度差はありますが、政治と行政と財界が癒着することで、一
 定の国力と富を蓄積し、その代償として国民に対しては、計画経済によって、中産階
 級化や平等化を目的とした一種の共産化(修正資本主義)が進みました。わが国も例
 外ではありません。
 その結果、政治と官僚は権力を欲しいままに振る舞うこととなりました。
 これがインフレ時代の特徴であると思います。
 
 世界的な平和な時代(21世紀)は、デフレェーション(デフレ)の時代です。
 戦争による人や財の浪費が減少します。福祉が充実し、乳幼児の死亡率が激減し、平均寿命が伸び、生産に従事する人口が増え、技術革新が進み、供給量は爆発的に伸
 び、需要を遥かに上回ります。
 この結果、経済の国境は無くなり、マーケットは地球規模に拡大し、いわゆるグロ
 ーバル化が進展し、国際競争力のない企業や産業は淘汰され、一国の政策では手の
 施しようが無くなります。国も企業も個人も、すべてに自己責任の原則と市場原理が適応され、結果
 主義になります。国際競争力がモノサシとなり、富の二極分化
 が進むことも考えられます。
 
 経済は官から民の手に移り、統制経済が自由経済・市場経済になります。
 予測困難・早い変化の時代となり、企業にとっては極めて厳しい競争になるでしょう。
 これがデフレ時代の大まかな特徴であると考えられます。      |